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ロシア対スペイン:ブロック守備とポゼッション [サッカー]

PK戦になってしまえば後はイーブン(ドイツ除く)。まさかロシアが上に上がるとは・・・・。
身体が震えるような驚きの中で今キーを叩いている。どうも心が整理できないが・・・・。

それにしても、ロシアのゲームプランがぴったり当たった。こういうときはPK戦でも優位に立てる。この大会、まだまだ驚きが続くようだ。

今日の試合、一言で言えば、ポゼッションサッカー対ブロック守備。

文字通り、ボールを保持し続け、ショートパスをつなぎながらボールを保持し続けるのがポゼッションサッカー。

最終ラインとMFのラインという二つのディフェンスラインを並べるのがブロック守備。

スペイン代表やFCバルセロナがポゼッションサッカーで世界を魅了して以来、必ず見ることが出来る図式だ。

特にこの大会、地力に劣る側が徹底したブロック守備を敷いてポゼッションサッカーを迎え撃つ局面が見られた。アルゼンチン対アイスランド、イラン対スペイン、メキシコ対ドイツ、韓国対ドイツ、そして今日のロシア対スペイン。

スペインは圧倒的にボールを支配し、アタッキングサードまではボールは持ち込めるものの、そこからシュートまでなかなか持ち込めない。持ち込めてもきれいな形でシュートできないのでキーパーに押さえられてしまう。
アイスランドの試合見ても思ったが、大きな選手がブロック守備に徹すると破るのはとても難しい。


局面を代えたのはイニエスタの投入。

イニエスタはブロックの間に入り込んでボールを動かす能力に長けている。投入後しばらくは変化をもたらすことは出来なかったが、イニエスタにボールが入るようになり、ロシアはブロックを下げることを余儀なくされる。

ブロックが下がると言うことは、ゴールまでの距離が短くなることでもあるから、その辺りからスペインのシュートが増えていく。しかしスペインは決めきれない。。。(日本代表を見ているかのような・・・・)


ブロック守備に徹したチームの間で、違いがあるなと思ったのがカウンターの方法論だった。
今日のロシアもそうだったが、カウンターと言ってもロングボールを蹴るのではなく、選手たちがサイドラインに対して平行にスピードをコントロールしながら走り、ディフェンダーをかいくぐるようにトライアングルを巧妙に作ってボールを前に運んでいく。(イランと韓国にはこれがなかった)


ポーランド対日本戦でもこういうカウンターが何回か見られ、日本は左右に振られるボールにマーカーが右往左往して十分なディフェンスが出来なかった。
その結果、ハーフラインからシューティングレンジまでボールを持ってこられるケースが頻発していた。ベルギーも同じような攻撃をしてくるだろうから、これに対するディフェンスを整備しておかないと明日はひどいことになる。

今日のスペインの守り方を見ていると、こういうカウンターを受けているときは、ボールを追うのではなく、サイドラインに対して平行にまっすぐ走ってくる相手選手そのものをマークし続けることの方が有効なようだ。

もう一つ、気になるのが日本代表のブロック守備があまり機能していないこと。
けっこう易々とMFのラインが突破されてしまうことがある。

とにもかくにもディフェンスの再構築。それを期待したい。

ポーランド戦で休ませた6人の選手のうち4人が前線。と言うことは相当なハイプレスをかけるゲームプランなのかもしれないが。

ベルギーは、チュニジア戦でさえポゼッション率が50%を切っていたことからわかるように、基本はカウンターサッカーのチーム。

なので先制されると厳しい。攻めに行ったところをカウンター食らって大量失点の可能性もある。逆に先制して、相手に持たせる展開に出来れば、ベルギーのスタイル上得意でない流れに持って行くことが出来るだろう。

そのためにも、とにかくディフェンスを再構築することが最重要課題だ。

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時間稼ぎに思う:日本は「さわやかな弱者」でなくていいんだ [サッカー]

ワールドカップ、ポーランド戦後半の時間稼ぎ。なぜこんな騒ぎになっているのかわからない。

そもそもグループリーグの3試合目にはこういうことはよくある。

今大会だって、フランス対デンマーク戦でこうなった。すぐ思い出せる限りで言えば、2002年大会のイングランド対ナイジェリア戦でも同じことが起こっている。あのときは、引き分けだったらイングランドとナイジェリアが上に上がれるけれど、どちらかが負けるとアルゼンチンが上がる可能性があると言う状況だったので、両チームとも最初から攻めるつもりゼロで、90分まるまる両チームの時間つぶしに費やしたひどい試合だった。

西野監督の判断を批判するなら、きちんとそうした試合にも言及してほしい。

あえて違いを挙げるならば、上記2試合は引き分けだったが今回は負けていたと言うこと。

けれど、フランス対デンマーク戦は、他会場で勝ち上がる可能性があったオーストラリアが2点のビハインドを負ったため、両チーム時間稼ぎモードになったのだが、オーストラリアだって、2006年大会の日本戦ではラスト15分足らずで3点取っている。なので2-0だからといって完全に安心できるわけじゃない。

それにコロンビアがあのタイミングで点を取れず、残り15分くらいになっていたら、今度はセネガル対コロンビアの方が、両方引き分けで上に上がることを狙って両軍時間稼ぎをはじめていただろう。

だから、今回の日本の選択を恥じる必要はないし、批判される筋合いのものでもない。

けれど、思い当たる節はある。

それは、日本が基本的に「弱者」だと見られているということだ。

夏の甲子園に出場した公立高校をイメージすれば、その「立ち位置」がイメージできるのではないか。

甲子園に出た公立高校が、全力疾走、プレーの中での笑顔、さわやかな振る舞いで人気を集めることはよくあることだ。それが勝って行けば、世間は応援していく。

コロンビア戦やセネガル戦の日本はだいたいそんな立ち位置だったのだろう。

しかし、そんな公立高校が、トリックプレイでアウトを取ったとする。そうなるとそれまで同情的だった世論が手のひらを返す。強豪校がそれをやると「さすがに訓練されている」と評されるだろうが。

ポーランド戦での時間稼ぎは、そんなものなのではないか。「さわやかで波乱を起こした弱者」と言うことで同情的なイメージを持たれていた日本代表が、強豪国と同じようなことをしたことに対する批判があって、「国際イメージ」に敏感な日本のマスコミがそれを無批判のまま翻訳して流し込む。そして日本人もそれを真に受けてしまう。

国際的なサッカー報道を見ていると、今大会でのフランスやデンマークも批判されているが、それが日本のサッカー報道に出てくることはない。ないので、日本だけが批判されているように見えてしまう。

けれど海外での批判は、「さわやかな弱者」だと思っていた日本がそうでなかったことに対する嫉妬、あるいは差別的な感情と言った面があることを忘れてはならない。

攻め続けなければボールを保持できないラグビーと違い、引いてボールを持つことで時間稼ぎが出来るサッカーの大きな大会では、こういう「時間稼ぎ」が必ずある。

自分はむしろ、「時間稼ぎ」を出来るようになったことがうれしかった。日本チームに浴びせられるブーイングが本当に心地よかった。これまでこのような状況にさえ立つことが出来なかったのだから。

こんなくだらない雑音は無視しよう。そして、ベルギーと闘おう。

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